チームセリングとは?メリット・デメリット、成功させるコツを解説

営業に課題を感じていたり、従来の属人化した営業手法に限界を感じていたりする事業者様も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめの手法がチームセリングです。本記事では、チームセリングをまだ知らない方に向けて、メリット・デメリット、成功させるコツについて解説します。

チームセリングとは

チームセリングとは、1つの顧客に対し、複数人が営業チームを組み、個人の能力を活かして対応する方法です。個人の技量に委ねるのではなく、営業の部署全体やチームの中で、企業の情報管理をします。

チーム全体で情報や営業内容を把握することで、会社全体の営業能力の底上げができるため、担当者に情報が偏りません。

チームを結成するときには、業績管理を行う責任者や、顧客との連絡係・企画担当者など、必要な役割の人材を配置しましょう。

チームセリングの必要性

通常の営業体制では、顧客情報が営業担当者に集中してしまいやすいといえます。
そのような状況下では、業務の属人化が起こりやすく、担当者への業務的な比重も大きくなってしまうといえるでしょう。

情報の取り扱いは複雑なものです。そのため、他の社員にノウハウが貯まりづらいことも、通常の営業体制で起こりやすい問題だといえます。

チームセリングでは、グループ内で業務を分担するため、ノウハウを共有できることや、人材育成がしやすいということがメリットとして挙げられます。

チームセリングの5つのメリット

営業活動が属人化してしまうと、前述の通り、問題が起こりやすくなります。チームセリングでお互いをチームで支え合って営業活動をすることは、それらの問題の解決策として効果的に働くでしょう。

ここでは、チームセリングのメリットについて紹介します。

属人化を防ぎ商談機会を逃さない

チームセリングは、業務上のノウハウや顧客を共有し、チームとしての成果を高める方法のため、個人の業務負荷が高くなり過ぎないことがメリットです。複数人で業務を分けて担当するため、顧客と直接やり取りをしている担当者がいなくても、業務を進められます。

これまでの営業方法では、担当者が不在の場合、他の担当者が対応することが難しかったといえます。チームセリングでは、チーム内でノウハウや顧客情報を共有するため、チーム内のほかメンバーでの対応が可能です。このことから、顧客との重要なやり取りに対応しやすく、商談機会を逃しません。

ノウハウが共有でき営業力が高まる

先輩の成功した実績などを共有することで、失敗への対策を学べる機会があり、営業力を高めやすいといえます。

属人化が起こっている状況では、ノウハウを共有するメリットが薄いため、営業を行う個人の技量に頼ってしまいやすく、個人の実力が限界を迎えてしまうと営業力もそこで停滞してしまいます。

チームで営業を行うことで「この場合はこのように対応する」という、パターンの共有がしやすく、営業効率を上げられるでしょう。

営業担当者の育成がしやすいため、営業知識が豊富になりやすく、経験の少ない内から安心して営業活動に励めます。

モチベーションが向上する

チーム内に頼れる存在がいるという状況では、モチベーションが上がりやすいということもメリットといえるでしょう。チームセリングでは、チーム内で不安や疑問点を解消できたり、失敗した際のフォローに期待できたりします。

モチベーションは、働く意欲に影響します。仕事でストレスを感じると、営業活動に支障をきたす可能性があるため、責任を重く感じやすい人は、迷わず周囲に頼りましょう。

営業プロセスが可視化できる

チームセリングで活動すると、営業プロセスが可視化できるということもメリットです。

営業をする上で、顧客のデータ共有は必要不可欠です。共有時には同時に、営業担当者が何をしているのかや、今後の予定などをチーム全体で把握できるでしょう。

営業担当者がひとりだと、どの企業とやり取りしているのかが、社内ではわかりづらくなります。そのため、担当者の実績のみを基準として評価をすることになり、関わった他者の影響が反映されづらいといえます。

情報が可視化されると、管理職は各自の状況を認知しやすいため、正当な評価を下せるでしょう。

個人の能力が活かせる

チームセリングでは、個人の得意分野に焦点を当てて役割分担をすることで、個人の能力を活かせることが特徴です。

営業に関わる内容は、顧客との連絡役や情報の取りまとめ、企画などの資料制作、チーム内での書類管理など多岐にわたります。

通常の営業体制では、業務のすべてを1人で対応します。一方、チームセリングでは得意分野ごとに業務を分担できることが特徴です。

苦手なことに時間を費やすのではなく、各人に得意なことを担当させると、作業効率が上がるだけではなく、自分にしかできないことを担当しているというやりがいにもつながります。

チームセリングの2つのデメリット

チームセリングはメリットの多い営業方法ですが、一方で通常の営業体制では発生しないようなトラブルが生じてしまう可能性もあります。

ここでは、チームセリングで発生することのあるトラブルについて紹介します。

社内共有不足でトラブルが発生しやすい

チームセリングでは、情報共有不足が原因でトラブルが発生することがあります。

情報共有は、共同で1つの顧客に当たるチームセリングにおいて最も重要といえるプロセスです。これを欠かしてしまうと、2人の担当者が同じ顧客に同じ内容で連絡をしてしまったり、情報の引継ぎミスで、商談がどの段階まで進んでいるのかを把握できなくなったりします。

このような状況では、顧客側が混乱してしまうだけではなく、最悪の場合不信感を抱かれ、営業活動が失敗してしまう可能性もあるでしょう。対策としては、常にチーム内で情報共有をするよう心掛け、自分以外の役割についてきちんと把握しておくことがあげられます。

チームの掲げる目標に向かい、各自の得意なことをやり遂げ、目標を達成させるために活動する「チームビルディング」が大切です。

個人の裁量が減る

通常の営業体制では、自分の活動は自分で責任を取るため、個人の裁量権が高いことがメリットです。一方で、チームセリングは個人の裁量権が少ないというデメリットがあります。

個人の裁量権が少ない状態だと、自立した人材を育てにくいといえます。そのため、チームで仕事をしつつも、やり方を完全に縛るのではなく、ある程度の裁量権を与えることがおすすめです。

責任や業務は分担しつつも、ある程度個人の裁量を取り入れ、チームでの役割について自分で考えて行動できる人材を育てましょう。

チームセリングで失敗しないための4つのコツ

チームセリングを導入する際、デメリットを低減するためにはいくつかのコツがあります。
以下で紹介するコツを取り入れ、チームでの活動が支障なく進むようにしましょう。

情報共有を円滑にする

チームセリングをする上で、チーム内での情報共有を円滑にすることは最も重要です。
情報の共有は、各自がリアルタイムで行うように心掛け、共有する機会を重ねることで、チーム全体が広い視野を手に入れられます。

ITツールやアプリなどの、ビジネスチャットを活用し、メールでのやり取りよりもスムーズに連携や連絡が取れるようにすることが重要です。

営業プロセスを見える化する

営業プロセスを「見える化」することで、チームが何を進行していて、何をするべきなのかがわかります。

お互いの状況が分かっていれば、やるべきことや速やかに準備した方がよいことなどに対して、先回りして対策できるため、効率よく業務を進められます。常に進捗や情報を共有し、トラブルが起きないよう、注意深くチームの連携を取りましょう。

得意分野を活かした役割分担をする

チームセリングでミスを犯さないようにするには、役割分担を明確に設定することが大切です。自分以外の誰かがやるという意識で仕事をすることは、トラブルを招く原因になりかねません。

チーム内の目標をきちんと達成するためには、自分が何をするべきかを自ら考える人材の育成が重要です。

管理職は、各自の得意なことを活かせるように人員配置を工夫し、業務の効率化を図りましょう。

リーダーを中心にチーム力を高める

チーム力を高めるためには、チーム内に統率力に長けたリーダーを用意することが重要です。リーダーを中心としたチームを作り、掲げた目標を達成するために、メンバー同士が、補い合えるチームを作りましょう。

リーダーは規則やルールを定め、報告や連絡を怠らないようメンバーを導き、ただ親交を深めるのではなく、互いに助け合うよう指導します。
チームの団結は、業績だけでなく、顧客との信頼関係に関わってくるため、大切にしましょう。

まとめ

チームセリングは、企業の営業能力を高める営業方法です。
業務の属人化が発生しやすい営業活動を、チームで分担することで、業務上重要になるさまざまな機会を逃さずに活動できます。

ただし、情報共有に関するトラブルが起こることもしばしばあります。そのため、チーム内の結束力を高めるさまざまな施策を取ることがおすすめです。

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