インサイドセールスには、ナーチャリングという極めて重要なプロセスがあります。一般的に「顧客育成」といった意味合いで用いられている言葉ですが、これだけだと何をするのかイマイチ分からないという方も多いと思います。
そこで今回はこのナーチャリングについて、その概要とインサイドセールスにおいてなぜそれほどまでに重要なのかという理由、そしてナーチャリングを活用するために知っておきたいことを解説します。
ナーチャリングとは?
ナーチャリングはマーケティングオートメーションやインサイドセールスの世界でよく用いられる言葉です。リード(顧客)に対して行うことなので、リードナーチャリングと表現されることもあります。
日本語では「顧客育成」と訳されていますが、ここでいう育成とは見込み客を購買につなげるまでの関係性や購買意欲を「育成」するという意味です。従来型の営業活動であれば営業マンが何度も足を運び、相手方の企業からの信頼や関係性を構築していき、最終的な商談やクロージングにつなげていくという手法が一般的でした。この部分の活動に名前をつけるとすると、リードナーチャリングと呼べるものです。
当記事で解説しているナーチャリングとはこうした従来型の活動ではなく、インサイドセールスの手法を使ったもののことです。
インサイドセールスにナーチャリングが必要な理由
インサイドセールスではリードとの接点ややり取りがオンラインになります。
メールやメッセージツールなどさまざまですが、こうしたデジタルツールを使って顧客を育成していくには克服するべき3つの課題があります。それが、インサイドセールスにナーチャリングをとりいれるべき理由です。
①フィールドセールスに引き継ぐ前段階でリードの購買意欲が高まらない
最終的な購買に至る商談やクロージングは、営業マンの仕事です。
そこに引き継ぐまでにナーチャリングができていなければ、購買意欲がそれほど高まっていない状態で引き継いでしまうことになります。それでは成果につながりにくく、営業マンのリソースを無駄遣いしてしまうだけです。
②せっかく集めたリードの情報を活用できない
ブース出展やセミナーなどで得られた名刺などのリード情報は、有効活用してはじめて購買につながります。
初動の段階で見込みがありそうなリードには積極的にセールスをかけることができますが、そうでないリードや取引がそれほど大きくはならないと見込まれるリードに対しての追客は後回しになりがちです。これだとリードを獲得した意味がなくなってしまうので、インサイドセールスによるナーチャリングが重要になるわけです。
③購買までの期間が長くなる
リードを獲得してから商談や購買につなげるまでの期間を、リードタイムといいます。
リードが法人企業である以上、一般消費者のようにすぐにその気になって購買をするというわけにはいきません。相手方もしっかりメリットやデメリットを検討しているわけで、その期間に十分なフォローができていなければリードの購買意欲は上がらなくなってしまいます。
インサイドセールスではナーチャリングによってきめ細かいフォローが可能なので、ナーチャリングの重要性が高くなります。
インサイドセールスにおけるナーチャリング活用時のポイント
インサイドセールスにおけるナーチャリングは、ITを活用する手法です。
その強みをしっかりいかすためにポイントとして押さえておきたいのが、「リードを知る」ことと、「ITを活用したフォロー」です。
インサイドセールスに利用できるツールや、その他にもWebの行動履歴をトラッキングできる機能やサービスがあります。リードがどんな行動をして自社のサイトにたどり着いたのかといった分析をすることで、リードをかなり深く知ることができます。
そしてトラッキングから得られた情報をもとに、ITを活用したステップメールやウェビナーといった手段を用いてリードの関心に見合った情報を提供していくのがナーチャリングの基本的な流れです。
まとめ
リードを獲得しただけでは成約、購買までの「第一歩」にすぎません。そこから購買意欲を高め、信頼関係を醸成していく重要な作業がナーチャリングです。
効果的なナーチャリングの考え方を押さえたうえで、ぜひ成約につながる有効なナーチャリングの形を構築してください。