エンタープライズ企業とは?マーケティングの秘訣や営業の進め方を徹底解説!

大型案件も望めるエンタープライズ企業はBtoB営業の醍醐味ともいえるターゲットです。関連企業も多く横展開も期待できるでしょう。今回の記事は、エンタープライズ企業へのマーケティングや営業展開について徹底的に解説します。

エンタープライズ企業とは

エンタープライズ企業の意味や定義を答えられる人は少ないでしょう。ここではエンタープライズ企業について解説します。

エンタープライズ企業の定義

エンタープライズ企業は資本金や売上規模、従業員数などでは定義づけられていません。
エンタープライズ企業は、中小企業基本法という法律で定義される中小企業よりも大きな企業をいいます。中小企業は製造業の場合、資本金3億円以下、常駐従業員300人以下で、業種によって定義は異なります。

この条件を満たすエンタープライズ企業は約12,000社、国内企業の0.3%ほどです。
また、エンタープライズ企業は中堅・中小企業を指すSMB(Small and Medium Business)の対義語としての意味合いも強いといえます。

エンタープライズ企業へ営業を行うメリット

エンタープライズ企業との契約を獲得すると、さまざまな面においてメリットがあります。
エンタープライズ企業は規模が大きいため、1つの契約で得られる売上が相当な金額になる可能性があります。課金できる商材であれば、その効果はより大きくなるでしょう。

また、多くのエンタープライズ企業はグループ企業を抱えていて、それらへの展開も見込めるでしょう。加えてm大きい企業ほど経営が安定し、解約率が低いことも魅力です。エンタープライズ企業との契約成立により、今後長期的な売上を見込めます。

The Model型営業との違い

近年、注目を集めている営業アプローチとして、The Model型営業があります。
これはセールスフォース・ドットコムの営業手法が原型とされています。潜在顧客に大きな網を張ってアプローチし、営業プロセスを分業しながら、だんだんとリードを絞り込み成約に至る営業方法です。

The Model型営業は不特定多数の企業に向けた営業に向いています。
一方、エンタープライズ営業は正反対の営業手法であり、大企業の一部門にターゲットを絞ってアプローチします。

成約に至れば、次は他部門、その次はグループ会社と、徐々に接点を広げていきます。エンタープライズ営業は一点集中主義な手法で、大企業向きといえます。

エンタープライズ企業の開拓を成功させる事前情報

エンタープライズ企業との契約はとても魅力的である一方、成約まで至るにはクリアすべき課題があります。エンタープライズ企業ならではのポイントを整理しておきましょう。

ターゲット企業が少ない

エンタープライズ企業と言われる大企業は0.3%、国内に約12,000社ほどしかありません。
エンタープライズ企業には歴史のある会社が多く、同業他社がすでにアプローチしている、あるいはすでに他社サービスを導入しているケースが多いでしょう。

タイミングよくアプローチをしても、複数のベンダーに相見積もりをとり比較検討をしてから決めることが一般的な対応であり、制約に至る可能性は低いといえます。

リードタイムが長い

エンタープライズ企業では、意思決定に多くの部門が関わります。そのため検討に多くの時間がかかるでしょう。

多くのエンタープライズ企業は、年間予算を年度はじめに確定します。前年度からアプローチしないと、検討さえしてもらえないでしょう。

検討時に話を通す部門も、経営企画部や経理部、法務部など会社事情によって多数存在します。最近ではコンプライアンスや内部統制の面から、法務部による契約書の検討に長い時間を要する場合が多くなっています。

意思決定に関わる人数が多い

エンタープライズ企業は、意思決定に多くの人が携わるケースも多く見受けられます。
担当者から課長、部長、企業によってはさらに局長が存在し、決済金額によっては取締役会の決済が必要です。

IT系の案件では情報システム部門、近年ではデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDX部門が意思決定に関わる場合もあります。
間に入る人数が多いほど検討期間は長くなり、営業担当者に大きな労力がかかるでしょう。

柔軟性が求められる

歴史があるエンタープライズ企業には、企業ならではのやり方があり、サービスや製品においても企業のやり方に準じた方法を採用しています。

すでに導入しているサービスや製品も多く、新しく導入するものはそれらとの整合性が求められます。カスタマイズなどの要求に対して、柔軟に対応できる体制を整えておきましょう。

エンタープライズ企業への営業・開拓の進め方

エンタープライズ企業へアプローチする方法として、ABMとBDRという手法があります。この2つの手法を用いて、マーケティングおよびセールス活動を行いましょう。エンタープライズ企業への営業開拓の重要なポイントとなります。

ここからは、これらの手法について解説します。

ターゲット企業を選ぶ

ABMはAccount Based Marketing(アカウント・ベースド・マーケティング)の略で、特定の企業もしくは団体を直接のターゲットとして営業をかける方法です。

担当者から企業の課題を抽出して成約する可能性が高い企業を絞り込むやり方(The Model型)とは違い、狙いを定めた企業の課題解決に向けて総合的に取り組みます。そのため、営業には企業のことを多角的に理解するための情報収集能力が問われます。

BDRを用いてインサイドセールスを実施

BDRは「Business Development Representative(ビジネス・デベロップメント・リプリセンタティブ)」の略で、新規開拓型のインサイドセールスを意味します。選定したターゲット企業に対して、電話や訪問など直接的なアプローチで商談を獲得するマーケティング戦略です。

インサイドセールス部門がBDRを実施して新規開拓で商談を獲得、その後エンタープライズ部門が引き継いでABMを実施するという流れが一般的です。

エンタープライズ企業への営業・開拓に求められるポイント

ABMならびにBDRによるエンタープライズ企業の開拓には、効率的なアプローチとターゲット企業の全体像の把握が求められます。1つの案件という捉え方ではなく、長期ビジョンを持つことが重要です。

効率的なアプローチ

営業においてもっとも効率的なアプローチは、直接CEOやCOOなどトップマネジメントにコンタクトを取ることです。

近年注目されている手法にCXOレターというものがあります。これはトップマネジメントに直接手紙を送付するアプローチです。

テレアポでいきなりCXO層に取り次いでもらうことは至難の業といえます。しかし手紙であれば手元に届くため、決済者の意見や決定を獲得しやすくなります。

BtoBの展示会で接点を持つことも有効です。意識の高いCXOは積極的に展示会に参加する可能性もあり、話を聞いてもらえます。その場でサービスや製品の説明もでき、一気に契約まで辿り着ける可能性があります。

ターゲット企業の全体像の把握

ターゲットとなる企業が決まったら、購入担当や利用部署、それに紐づくバックヤードの部署など、多数のキーマンと接点を確保しましょう。

エンタープライズ企業で大型案件を獲得するには、多くの部署の承認が必要です。事前に各部署のニーズを拾い上げ、関係する部署のキーマンと関係を構築しておけば、契約後もスムーズな営業展開が可能です。

このような関係性は、グループ会社など案件の横展開や新たなニーズの拾い上げにも役立つでしょう。

契約後もLTVの最大化を目指す

エンタープライズ企業における案件はとても大きく、安定した売上を可能にします。
契約後は常にLTV(Life Time Value)、顧客生涯価値の考え方を持つようにしましょう。LTVの最大化が、エンタープライズ企業案件で大きな意味を持ちます。

当該案件をベースに、今後どのようにその企業と関係性を保っていくか、さらには関係性を太くしていくかといった長期的な展望が重要です。

案件と直接関わりのない部署とも関係を構築し、企業全体とのコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。

まとめ

エンタープライズ企業との取引は、自社の成長拡大に大きく寄与する可能性を秘めています。そのためにもしっかりとしたした戦略のもと、LTVの絵を描きながら、長期的なビジョンを含むマーケティング戦略が大切です。

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