マーケティングの世界において、OnetoOneマーケティングが急激に拡大しています。それを可能にしているのがITを活用した各種ツールで、OnetoOneマーケティングの隆盛はITの進化がもたらしたひとつの結果といえます。
それではOnetoOneとはいったいどんなマーケティング手法で、具体的にどんな方法で顧客にアプローチするものなのでしょうか。この部分に対する疑問にお答えしつつ、OnetoOneマーケティングのメリットとデメリットについても解説したいと思います。
OnetoOneマーケティングとは
OnetoOneを日本語で表現すると、「1対1」といった意味合いになります。
企業から多くの見込み顧客に向けて一斉に情報を発信するのではなく、まるで個人間のやり取りのようにその人の事情やニーズに合わせた内容のアプローチをすることを、OnetoOneマーケティングといいます。
見込み顧客の属性を細かく分類し、それぞれの属性に対して適切なアプローチをする手法は従来からあります。OnetoOneマーケティングはそれよりもさらに進化して、細分化の究極の姿である顧客の「一人ひとり」にまで落とし込んだものです。
OnetoOneマーケティングの主な手法
OnetoOneマーケティングには、すでに多くの手法が確立されています。
現在も多く用いられている手法を軸に、いくつか具体的な手法を紹介しましょう。
①リターゲティング広告
自社サイトや自社のコンテンツに対して見込み顧客がアクセスをしてきた際に、Cookieと呼ばれる閲覧履歴の情報を取得します。その情報を分析すれば、その人が自社のどのページや情報に関心を持っているのかが分かります。それに沿ってアプローチをすることでその人に最適な情報を提供できるようになります。
②レコメンデーション
レコメンデーションとは、「おすすめ」のことです。上記のリターゲティング広告と同様に、見込み顧客のサイト閲覧利益から興味や趣向を分析し、その人が興味を持ちそうな商品やサービスをおすすめする手法です。
③Web接客
サイトを閲覧していると、自動的に画面の右下などにポップアップ画面が開く仕掛けを見たことがある方は多いと思います。サイトの閲覧情報をもとに、そのスペースに興味がありそうな情報を表示したり、「お困りごとはありませんか?」と呼びかけるなどの手法です。
OnetoOneマーケティングのメリット
OnetoOneマーケティングは1人単位にまで細分化された相手に対してアプローチをすることができるため、マーケティングや販促活動の精度はとても高くなります。
実際にこれで結果を出している企業やECサイトなどはとても多く、今では当たり前になっている「あなたにおすすめの商品」といった機能を早い時期から導入したアマゾンは大きな成功を収めています。
マーケティングの精度が向上することにより、マーケティングに要する人的、金銭的なコストを大幅に削減できるのもメリットです。OnetoOneマーケティングの専用ツールを用いることによって一連の活動を自動化できるため、人海戦術による営業活動と比べるとコストパフォーマンスは圧倒的です。
OnetoOneマーケティングのデメリット
OnetoOneマーケティングは自動化できることがメリットですが、その裏返しとして進め方や方向性を間違えると逆効果になる恐れがあります。
見込み顧客が意図した行動をしてくれないばかりか、的外れな情報ばかり提供しているとネガティブな印象を持たれてしまい、自社のサイトに今後来てもらえなくなる可能性があります。
そのために重要なのが、適切なシナリオ作りです。見込み顧客のペルソナをしっかり分析し、どのように行動してほしいのかをストーリーに落とし込み、そこから得られたシナリオに沿ってツールの設定を行います。
この作業がイメージ先行になってしまったり属人的になるとシナリオの根拠が乏しくなったり、方向を間違えてしまうリスクが高まるので、社内で共有、標準化する仕組みが求められます。
まとめ
OnetoOneマーケティングは近年その利用が広がっており、有効な手法として確立しつつあります。
今後も新しい手法が登場する可能性もありますが、すでに有効性が確認されている手法だけでも十分取り組む価値があります。
顧客のニーズが多様化すればするほど有効性が高くなる手法でもあるので、この機会にOnetoOneマーケティングの本質を理解していただき、取り組みやすい手法から始めてみてはいかがでしょうか。