WEBを活用した広告手法には、すでに多くの方法が確立されています。そんな方法に新たにまたひとつ、「ライバルマーケティング」が登場し、注目を集めています。
ライバルマーケティングとはどんな手法で、どんなメリットや効果があるのかについて5分でマスターできるように情報を網羅しました。これまでやってきたWEBでの集客に限界を感じている方には、新しい選択肢になるかもしれません。
ライバルマーケティング広告とは?
ライバルマーケティングを端的に言い表すと、「ライバルの集客力を利用したマーケティング手法」です。あるユーザーがよく訪問しているサイトで、よく目にする広告やリンクがあるとします。
そのサイトによく訪問することで購買意欲は徐々に高まっているのですが、実際の行動はまだ起こしていません。
そんな人がある同じサイトで、競合他社の広告を目にします。すでに購買意欲は高まっているので、最初に見ていた企業の商品ではなく、その時に見た企業の広告をクリックして購買に進んだ…というのがライバルマーケティングの流れです。
あまり言葉は良くありませんが、後から広告を仕掛けた企業は最初に広告を使って購買意欲を高めていたユーザーを「横取り」した格好です。
しかしユーザーにとってはごく自然な消費行動であり、結果としては横取りをした格好になりますが、これも立派な集客手法といえます。
すでに一定のレベルにまで購買意欲を高めているユーザーを効率良く取り込むことができるため、「ライバルマーケティング」という名前もつけられて注目されているわけです。
実店舗で同様のマーケティングをすることは敵対的な印象を与える恐れがありますが、WEB集客であればごく自然な形でライバルの集客力を利用することができます。
ライバルマーケティング広告のメリット
ライバルマーケティングを集客に活用することで得られるメリットは、主に3つあります。1つめについてはすでに解説済みですが、とても重要なメリットなので改めて解説します。
①ライバル企業の集客力を「利用」できる
ライバルマーケティングは、その名前にもなっているようにライバル企業の集客力をちゃっかり拝借できるマーケティング手法です。これが最大のメリットなので、ライバル企業の集客力が高くてもそれを自社の集客力につなげることができます。
「柔よく剛を制す」というのは、柔道の基本的な考え方です。強い相手であっても柔軟に戦い、時には相手の力を利用して勝つというもので、ライバルマーケティングと通じるところがあると思います。
②効率良くホットリードに情報にアプローチできる
ホットリードとは、リード(見込み顧客)の中でもホット、つまりすでに購買意欲がかなり高まっている状態の人たちのことです。ライバルマーケティングではすでにライバル企業のPR活動によってホットリードとなった人たちにアプローチをするため、販促活動の効率が飛躍的に高まります。
自社が提供している商材の「分野」に対して興味を持っているものの、まだ自社を知らない人たちが相手です。ゼロの状態から見込み顧客を発掘するのとは効率がまるで違うのは自明の理です。
③PDCAを回して費用対効果を高められる
販促活動ではPDCAのサイクルを意識することが重要です。ある施策を打ってその効果を検証し、次なる戦略に反映していくことで精度を高めていくのが王道です。WEB広告ではクリック率やコンバージョン率などを数値化しやすいため、WEBで展開するライバルマーケティングでもしっかり数値を分析したうえでのPDCAサイクルを回すことができます。
このことは戦略の精度を高め、販促活動全体の費用対効果を高めることにつながります。
ライバルマーケティング広告のデメリット
メリットの一方で、ライバルマーケティングにはどんなデメリットがあるのでしょうか。主に2つのデメリットが考えられるので、これも留意しておきましょう。
①業種によって効果にかなりのばらつきがある
WEB広告全体にいえることですが、業種によってクリック率やコンバージョン率などの費用対効果は大きく異なります。ライバルマーケティングについても同様で、業種によってはライバルマーケティングを仕掛けても費用対効果が上がらない可能性もあります。
ライバルマーケティングを検討する際には、本当に効果が見込める業種なのかをしっかり見極める必要があるでしょう。
②正攻法ではないゆえのマイナスイメージ
すでに述べているように、ライバルマーケティングはライバル企業の顧客を横取りするような状況になることもあるため、ユーザーもしくは現場のスタッフから良い印象を持たれない可能性があります。あまり深入りしすぎると企業イメージにも関わるため、注意が必要です。
ライバルマーケティング広告導入の際のポイント
ライバルマーケティングを実践する際には、知っておきたい3つのポイントがあります。
集客力のあるライバルを見つける必要があるため、自社が狙いたいキーワードで集客ができている企業、サイトを見つけることから始めます。そのターゲットを絞り込んだら、その企業が展開している広告を分析し、それよりもユーザーが本当に求めていることに応えられるような広告を作り込みます。美しいデザインやカッコいいキャッチコピーよりも、ユーザーの心理に訴えかける「必要な情報」にこだわりましょう。
そして最後には、PDCAです。一度打ち出した戦略を実践してみて効果を計測、そこから得られた気づきや改善点を反映して、ブラッシュアップしていきます。
まとめ
ライバル企業の集客力を利用するという、ある意味では合理性のあるライバルマーケティング。しかしそこには、強いものに勝つための工夫や入念な分析が必要です。「柔よく剛を制す」の精神で、柔軟に戦略をブラッシュアップしながら臨んでください。