インサイドセールスの立ち上げは最初のステップが肝心!失敗から学ぶ5つのポイントとは?

インサイドセールスを立ち上げるためには、最初のステップが肝心です。初めに、立ち上げる目的を明確にし、周知させるように取り組みましょう。目的が曖昧なままでは、インサイドセールスのメリットを活かせず、担当者のモチベーションも下がってしまいます。インサイドセールスを立ち上げるための、6ステップを紹介します。失敗例から学べるポイントも取り上げるため、これから立ち上げを考えている方に向けた記事です。
目次
インサイドセールスを立ち上げるための6ステップ
インサイドセールスの立ち上げから導入までの流れを、6ステップに分けて紹介します。インサイドセールスとは内勤で営業する部門のことを指し、電話やメール、ビデオ通話システムなどを利用して顧客にアプローチをする営業方法です。
インサイドセールスを立ち上げる目的を明確にする
どの仕事の立ち上げにも共通することですが、目的とゴールを明確に設定しましょう。この設定がクリアであれば、これから決定していかなければならない事項もスムーズに方向性が決まります。テレアポはアポイントを取ることが目的です。そしてインサイドセールスもテレアポと同じ電話での営業を含むため、この2つは混同されがちです。インサイドセールスは、顧客へのコンサルタントの役割を大きく持つ営業方法なことを意識して、目的とゴールを設定しましょう。
訴求する商材・サービスを決める
立ち上げ当初は、扱う商材・サービスを絞り込むことが大切です。選択肢を手広くしてしまうと、エラーが出たときの切り替えがしづらく、営業スタイル・ペースの確立にも時間が掛かります。立ち上げ時は顧客へのアプローチと同時に、自社組織を確立させる業務も進めます。狙う顧客層を定めてから、その顧客層が持つニーズについてリサーチして取り扱い商品・サービスを絞りましょう。
シナリオ設計をする
営業の実践は感覚で進めるものではありません。営業の経験を持つ人がインサイドセールスに入ると、過去の経験をそのまま反映させて、インサイドセールスの役割から外れた営業ノウハウで業務にあたってしまうことがあります。インサイドセールスが、営業の流れのどこに組み込まれているのかを確認し、部署内の細かな調整役を担っていると周知させましょう。見込み客にいつ・誰が・どの情報を・どのチャネルで、アプローチするかを細かくイメージしながら設定しましょう。シナリオ設計とは、顧客との初接触から受注までの流れについて、どのような道をたどって案内するかを決めるものです。各タイミングでどのような情報を提供するかについてもイメージしておき、顧客の思考をシナリオ設計にのせるようにアプローチします。
はじめのKPI設定をする
KPI(キーパフォーマンスインジケーター)とは、重要目標評価指数を意味します。受注の獲得や売上総額などの、最終的なゴールを実現するために設定する中間目標のことです。最終的なゴールまでの道のりはどうしても遠くなってしまうため、KPIの設定は営業のモチベーションアップにつながることが利点です。
KPIは主に、以下の5つに設定されます。
- メール開封数
- 架電数
- 商談化数
- 受注数
- 受注額
これらは段階別にもなっているため、最終目標達成への道筋が見えやすくなります。
人材の確保・教育する
新規事業の立ち上げをする場合、その業務に見合ったスキルとマインドを持つ人物を配置することが重要です。インサイドセールスに向いているとされる人物像は、以下の通りです。
- 予想や感情を持ち込まず、事実ベースで報告できる
- マイナス結果に引きずられない楽観主義
- Web会議システム、電話、メールなどの取り扱いや、言葉のやり取りのスキルが高い
配置後も業務上のエラーを確認し、それらを共有しながら教育しましょう。
ツールを選定し導入する
インサイドセールスは、元来フィールドセールス(訪問営業)が1人で担っていた営業活動を、複数人で分担して行います。そのため、顧客情報の共有業務が増えることを覚えておきましょう。情報共有のミスや漏れを防ぐためには、共有用のツールを活用することがおすすめです。
- 名刺管理
- Web会議
- 顧客情報、進捗管理(セールスフォースオートメーション)
- 顧客管理と通話の連携(コンピュータテレフォニーインテグレーション)
- 優先度判定(アカウントベースドマーケティング)
- 見込み顧客育成(マーケティングオートメーション)
ツールで自動化できる機能は主に上記の通りです。ツールの種類も多岐にわたり、ツールごとに機能は異なるため、使用感がフィットしているかどうかを精査しましょう。
よくある失敗例からわかる6つのポイント
インサイドセールスの役割がうやむやなまま立ち上げ、成果が得られず失敗に終わることもあります。失敗を回避するためには、インサイドセールスの役割・立ち位置・ゴールを、稼働前に明確に設定しておくことが重要です。よくある失敗例をもとに、対策を6つ紹介します。
インサイドセールスはテレアポではない
インサイドセールスの目的は、顧客に対して多角的なアプローチをしながら商材やサービスについて紹介することです。顧客側から見ると、インサイドセールスの営業マンは、コンサルタントやサポートセンターのようなイメージを持たれることもあります。顧客のニーズや課題・悩みに合わせて、多角度からコミュニケーションを取ることが求められます。テレアポの目的は、商談の日程を決めることであるため、目的の違いを認識し、混同しないようにしましょう。
他部門との連携をおろそかにしない
インサイドセールスはマーケティングから商談までの、全てにおいて関連する業務のため、他部門の関係者とのかかわりも多くなります。そのため、連携を目的としたデジタルツールを導入したままにせず、活用し、正確な情報のやり取りをすることについて意識しましょう。失敗しないポイントは、他部門と目的やゴールを共有し、そのチーム全体でどのような施策を打ち出すか吟味していくことが大切です。
営業担当1人で問題を抱える環境にしない
インサイドセールスとフィールドセールスは共に、営業マン各自の対応にまかせっぱなしにすると、顧客への対応にばらつきが出ます。顧客へアプローチをしたあとに、関係者の間で情報共有する場を設けるとよいでしょう。顧客からの問い合わせの際には、どの部門の誰につながっても同じ情報を伝えられるように、持っている情報を揃えておくことが重要です。「人によって言っていることが違う」と顧客に思われること以上に、信用を失うことはありません。対策として定例会を設け、定期的に情報を共有し合うことで、顧客とのやり取りの履歴を常にアップデートしましょう。
最初から大規模にインサイドセールスの導入をしない
情報共有の難易度が高くなってしまうため、インサイドセールスを初めから大規模に導入することは避けましょう。特に人員の大量配置や、初めて使うツールの大量導入は避けるようにします。特に、横並びの人員を初めに増やしてしまうと、人員間での情報共有に時間がかかります。最初は失敗したとしてもすぐに舵を切れるよう、スモールステップで進めることが重要です。立ち上げの際は少人数でPDCAを回し、インサイドセールスのスタイルを確立させ、後続を育成できる人員の確保をします。
セールストークをしない
セールストークをすると、相手を警戒させてしまい、よい関係を築けないことが多くあります。相手のペースを無視したマシンガントークや、スクリプトを読んでいることが丸わかりの話し方などがこれにあたります。自社商品の良さだけを伝えても、見込み客はその商品で、課題を解決できるのかは判断できません。誓約を取るためのポイントは、見込み客の課題を知った上で自社製品を勧め、どのような恩恵を受けられるのかを説明することです。顧客とのラポール形成を先行させましょう。
フィールドセールスと競わない
役割分担が曖昧なまま進めていくと、フィールドセールスと敵対する可能性もあります。社内で営業成績が発表される企業では、目に見えやすい売り上げが順位の基準となる場合もあるでしょう。これでは顧客にとって最良の商品ではなく、取引額が高い商品を勧めるように、各々の成績を優先してしまいます。評価の取り合いになっては、インサイドセールスがあることによる販売促進の効果も崩れてしまう可能性があります。対策方法は、マインド面・評価面・コミッション面において、お互いをチームであると認識しやすい状態をつくることです。
まとめ
インサイドセールスの立ち上げに注意しておくべきポイントをご紹介しました。
弊社「ハジマリ」は、
- 営業組織がない
- 営業組織が弱い
- 営業ノウハウがない
という課題を抱える中小企業様へのマーケティングサポートを行っております。テクノロジーとプロフェッショナル人財を駆使して、セールスのデジタル化を進めるプロセスまで支援します。