ターゲティングは「ターゲット+ing」なので、ターゲット(標的)を定めること、と訳することができます。マーケティングの世界では頻繁に用いられる言葉ですが、おおむねターゲットとなる層を定めることという意味合いで使われていると考えて良いでしょう。
しかし、これだけではターゲティングの意味をすべて言い表しているとはいえません。マーケティングにおいてターゲティングが占める位置やターゲティングの重要性、そしてターゲティングを実践する際に意識するべき6つのRによるフレームワークについて解説します。
ターゲティングとは?
ターゲティングで設定するのは、市場の選択です。自社の強みを分析したうえで、どの市場で勝負するのかを決めるのがターゲティングです。
ターゲティングの典型的な成功例として知られるのが、「無印良品」です。あえてブランドをつけず「見映えはともかく質の良いもの」を訴求することで、このコンセプトを好む人から支持を集めることで成長を遂げました。この価値観は他社にも同様のものが見られますが、先駆者である「無印良品」が今もなおトップランナーなのは、ターゲティングの勝利といえます。
ちなみに、ターゲティングはマーケティングのすべてではありません。マーケティングでは3つの分析が必要とされており、その3つとは「セグメンテーション」「ターゲティング」、そして「ポジショニング」です。これらの頭文字を並べてSTP分析と呼ばれることが多いですが、ターゲティングはその中の1要素だということです。
それではSTP分析の「T=ターゲティング」以外の分析とは何でしょうか。1つずつ解説します。
新規顧客獲得に関して
①バイネームリスト提供
誰をターゲットにするのか、これはマーケティングの重要すぎるスタート地点です。意味のない努力をしても時間と労力の無駄になってしまうので、バイネームによるマーケティングのキーマンとなる決済担当者の調査を行い、そのリストをご提供いたします。
②バイネームレターマーケティング
メールを活用したインサイドセールスを実践するには、最適な相手に最適な内容の情報を提供する必要があります。そのために重要なのが、対象となるマーケットにおいて売り込みたい商材の最適なセグメントの実施です。「刺さる」相手を見極めることで届ける情報の中身を最適化し、それがバイネームであることでさらに命中精度が高まります。
③戦略的テレマーケティング
インサイドセールスで成果を上げるには、質的・量的の両面でリード(見込み顧客)を獲得していくことが重要です。そのためにテレアポを活用する企業は多いですが、近年では機密保持などの観点から電話営業をしても担当者や決裁権限者にたどり着けないことも多々あります。そこでハジマリでは戦略的テレマーケティングにより、バイネームによるリード獲得をいたします。
これにより、元々は自社のターゲットではない、もしくは優先順位が低いマーケットだったターゲットゾーンも自社のリードとすることができるため、営業活動の選択肢がぐっと広がります。
セグメンテーション
STP分析は手がける順序によって並べられているので、セグメンテーションはSTP分析の中ではトップバッターです。これは市場の細分化と、細分化された市場への理解です。年齢や所得層、居住地、職業、趣向などさまざまな属性で市場を分類して、それぞれの市場を理解します。
ここで細分化した市場のうち、どの市場で戦うのかを検討するのが、ターゲティングです。
ポジショニング
ポジショニングとは位置取りのことなので、ターゲティングによって勝負する市場を決めたら、このポジショニングによって顧客のニーズを決めます。セグメンテーションで市場を細分化し、ターゲティングによって勝負する市場を決めます。そしてポジショニングによって具体的な商品開発や見せ方、PRの方法などを検討します。
ターゲティングの重要性
STP分析の中でもターゲティングは最も重要なプロセスです。なぜなら、今は商品やサービスが同じ市場にあふれていて、消費者にとっての選択肢がとても広いからです。かつて「作ったら売れる」という時代がありましたが、今は完全に逆の買い手市場です。
どの市場も買い手市場になっている以上、そこで選ばれるためには正確なターゲティングが必要になるわけです。その市場では何が求められているのか、その市場に情報を届けるにはどうすれば良いかというように、「相手」を知らなければ売れるものも売れないわけです。
ターゲティングに活用できるフレームワーク【6R】
ターゲット設定をより正確に行うために活用したい6つのRから始まるフレームワークがあります。これを順にチェックしていくとターゲティングを自然に設定できるので、ぜひ活用してください。
・Realistic Scale ⇒ 十分利益につながるだけの市場規模があるか?
・Rate of Growth ⇒ 今は十分な市場規模があっても今後にも成長性があるか?
・Rank/Ripple Effect ⇒ 顧客にとっての優先度、関心度が高いか?
・Reach ⇒ マーケティングによって顧客に到達できるか?
・Rival ⇒ 競合の状況はどうか?過当競争になっていないか?
・Response ⇒ 広告展開の効果が測定可能か?
この6つはターゲティングを進めるうえでチェックするべき項目がうまくRで始まる言葉にまとめられているので、ぜひターゲティングの際には1つずつチェックリストのように使ってみてください。
まとめ
STP分析はマーケティングの基本として広く普及していますが、その中でもターゲティングは最も重要なプロセスです。どこで勝負するのかという「主戦場」を間違えてしまうと、どんな商品やサービスが優れていてもターゲットとなる顧客がいないので、「無駄打ち」になってしまいます。
それを回避して確実に顧客が存在する市場に自社の強みを発揮して勝ち残っていくためにも、ターゲティングの正確性が求められるわけです。
6Rを使えばターゲティングは全く難しいものではありませんし、ほとんどコストをかけることなく始めることができます。