メールを活用した営業手法には、大きく分けて2つの方法論があります。ひとつはステップメールで、もうひとつはシナリオメールです。
どちらもメールを活用してリードナーチャリングをするための手法であり、最終的には購買や成約を目的としていることでは共通しているのですが、メールの配信内容やタイミングに大きな違いがあります。
そこで今回はステップメールとシナリオメールの違いについて解説し、それぞれのメリットについても紹介します。
ステップメールとは?
ステップメールは、リード(見込み顧客)や既存顧客に対して定期的にメールを配信して関係性を維持し、次なる購買につなげることを目的とした手法です。
問い合わせや購買をした人は次の購買にもつながる有望なリードであるとして定期的に有益な情報や最新ニュースを配信することで興味を持ってもらい、忘れられないようにする役割も帯びています。
具体的に、以下のような配信タイミングが考えられます。
- 購入のお礼メール
- 無料トライアルを利用している人にトライアル終了が近づいてきたタイミングで本契約を促すメール
- 購入1週間後に様子伺いのメール
- ポイントが付与されたことを知らせるメール
- 口コミ投稿を促すメール
これらのメールが届くことで関係性を維持できれば、今後の購買につながる可能性があります。
ステップメールのメリット
ステップメールのメリットは、関係性を維持するための顧客フォローを自動化できることです。定期的にメールを送信することで忘れられることを回避し、メールの内容によっては興味を持ってもらえる可能性もあるので、それを自動化できることはコストの面でもメリットが大きいでしょう。
シナリオメールとは?
次にシナリオメールとは、リードの行動に応じて配信するメールの内容やタイミングを調整するメール販促手法のことです。シナリオメールというくらいなので、リードの行動と配信するメールを関連付けてひとつのシナリオ(物語)を構築するイメージです。
MAツールでリードのネットコンテンツ閲覧履歴を追跡し、その閲覧情報に基づいてメールを配信します。たとえば自社の商品ページに何度もアクセスしている場合、その商品への関心が高まっていると判断して3回アクセスしたことを受けて商品の活用例など有益な情報をメール配信する、といった具合です。
シナリオメールのメリット
シナリオメールのメリットは、ステップメールのように時間軸で同じ内容のメールを配信するのではなく、リードの行動に応じて臨機応変に配信内容を選び、タイミングを見計らって配信することによって刺さる精度が高くなることです。
特に重要なのがタイミングで、「鉄は熱いうちに打て」の言葉の通り商品やサービスへの関心が最も高い時に効果的なアプローチをすることによって一気に購買まで持って行ける可能性が高くなります。
シナリオメールはMAツールの主機能のひとつということもあり、MAツールを使った営業活動の自動化においてシナリオメールは中心的な役割を担っています。営業活動の自動化ができるメリットはステップメールと同じですが、シナリオメールはより人間が行う営業活動に近いコミュニケーションが可能になる点が特徴です。
ステップメールとシナリオメールの違いは?
ステップメールとシナリオメールの大きな違いは、何をきっかけにメールを配信しているかにあります。
ステップメールは一定の時間を経過するごとにメールを配信してリードナーチャリングを進める手法ですが、シナリオメールはリードの行動に応じてメールを配信するため、時間の経過とは無関係です。
時間が経ってもリードが商品ページを閲覧するなどの行動を起こしていなければ、シナリオメールが配信されることはありません。
リードの行動に応じてメールを配信するほうが人間によるアプローチに近いので、営業活動の自動化においてより高い精度が期待できます。
まとめ
今回はステップメールとシナリオメールの違いについて解説しました。
解説をお読みになって、これから取り組むのであればシナリオメールのほうが結果につながりそうだと感じた方は多いと思います。
もちろんステップメールにも良さはあるのですが、これから本格的に営業活動を自動化していくのであればシナリオメールを導入していくべきでしょう。
そのためのMAツールも充実してきているので、営業活動の自動化においてはシナリオメールをその手法のひとつに加え、前提とするのが良いと思います。