2020年に端を発したコロナ禍は、私たちの生活に多大な影響を及ぼしました。「ニューノーマル」と呼ばれる新しい生活様式が浸透し、コロナ禍が収束しても一部の習慣はそのまま残るのではないかとも言われています。
これだけ大きな影響力があるコロナ禍は、消費行動にも大きな影響を及ぼしています。よく言われているのは「巣ごもり需要」など外出機会が減ったことによる消費行動の変化ですが、コロナ禍による影響はこれだけではありません。
今回はコロナ禍が消費行動にもたらした影響について解説し、そこから得られる「次の一手」へのヒントを考察してみたいと思います。
消費行動とは?
消費とは一般消費者が商品やサービスを購入することです。つまり、消費行動とはお金を出して何かを購入する行動のことで、この消費行動は消費者の心理によって大きく変化します。
一般消費者向けの商品やサービスを提供している企業にとって消費行動の分析はとても重要で、いかに市場を理解できて市場のニーズに合ったものを提供できるかが業績に直結します。
コロナ禍でどのような変化の傾向がみられたか?
コロナ禍によって身の回りの生活や価値観が大きく変わったことは、多くの方が実感されていることだと思います。それでは具体的に何がどう変わったのでしょうか。消費行動の視点から個別に考察してみましょう。
健康への関心
コロナ禍は疫学的リスクの高まりなので、感染症や健康への関心が以前とは比べ物にならないほど高まりました。「濃厚接触者」「飛沫感染」「エアゾール感染」といった言葉はコロナ禍になるまで知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
どうすれば感染症のリスクが高まるかといったことにあまり関心がなかった人も否応なく関心を持つようになり、健康に気を遣うようになりました。
そのひとつの成果として、新型コロナウイルス以外の感染症(インフルエンザやノロウイルスなど)の感染者が激減し、多くの人が健康や衛生に高い関心を払っていることが証明されています。
「ステイホーム」の生活をしながら健康や体力を維持するための消費が活発になり、「自宅〇〇」「おうち〇〇」といった商品が多く登場しました。
ワークスタイルの変化
人が接触することで感染リスクが高まるのであれば、人が接触しないようにするのが「ニューノーマル」の考え方です。仕事では働き方改革の一環として折から推奨されてきたリモートワークが強く推奨されるようになり、コロナ禍を契機にリモートワークを導入した企業も少なくありません。
もともとはIT企業の専売特許のように思われてきたリモートワークが、今やひとつの働き方のジャンルとして確立している感もあります。
Zoomに代表されるようなネット会議システムが広く普及し、ネットインフラを活用したさまざまなツールが業務に導入されました。
生活の充実
タイトルでは「生活の充実」となっていますが、厳密には「自宅生活の充実」です。コロナ禍で思うように外出や旅行ができなくなり、自宅で過ごす時間をいかに充実させるかに関心が集まりました。そのための消費が拡大する「巣ごもり消費」という言葉が誕生したのも、コロナ禍の世相を反映しています。
ネットショッピングで買い物をする人が増え「ウーバーイーツ」に代表されるようなフードデリバリーサービスが伸びたのも、コロナ禍ゆえのことです。
さらにゲームや動画配信など自宅にいながらにして楽しめるサービスにも消費行動が向かい、関連銘柄の株価が上昇する局面もありました。
デジタル化の加速
感染リスクを低減するためには人と人とが極力接触しないことが有効であるとされ、そこで威力を発揮したのが情報通信技術です。
緊急事態宣言が発令されている時期にはテレビの出演者ですら遠隔地からリモート出演をする光景が見られましたが、こうしたことができるのもビデオ通話システムがあるからです。
その他にも決済手段のキャッシュレス化、オンライン化が進行し、現金を使う機会が減ったと感じる人が多くなりました。
コロナ禍による営業戦略の見直し
コロナ禍により営業強化が必要になっている中で、営業リソース・ノウハウ不足の課題解決としてハジマリに営業をまるっと代行していただける企業様も増えております。
営業活動において成果を上げるには、質的・量的の両面でリード(見込み顧客)を獲得していくことが重要です。
そのためにテレアポを活用する企業は多いですが、近年では機密保持などの観点から電話営業をしても担当者や決裁権限者にたどり着けないことも多々あります。
そこでハジマリでは戦略的テレマーケティングにより、バイネームによるリード獲得をいたします。
これにより、元々は自社のターゲットではない、もしくは優先順位が低いマーケットだったターゲットゾーンも自社のリードとすることができるため、営業活動の選択肢がぐっと広がります。
コロナ禍で消費者から何が求められるか?
コロナ禍で最も顕著だったのは、仕事や生活のデジタル化です。非対面・非接触を実現できる手段として広く浸透し、これはアフターコロナの「ニューノーマル」においても続く傾向でしょう。
しかし、ここまでデジタル化が一気に進むとそれ以外のコミュニケーションや体験が見直されるようにもなります。その場所に行かなければ体験できないこと、対面でなければ得られない感動など、こうした「リアル」にしかない価値が今後、デジタル化の進行とともに再評価されると考えられます。
「ニューノーマル」の必需品としてのデジタル関連ツールに高いニーズが維持される一方で、人間が本質的に持っている「リアル」の価値を提供することがアフターコロナ時代の消費行動を読み解くカギになると思います。
まとめ
コロナ禍で仕事や生活のあり方が大きく変わりましたが、最も大きく変わったのは人の心です。
心の変化が目に見える形での変化をもたらし、それが消費行動にも表れました。アフターコロナの時代も消費行動を決めるのは、人の心です。
人の心の変化を読み解くことで時代の変化を的確にとらえ、求められる商品やサービスを提供することがビジネス成功のポイントです。