営業活動、販促活動を自動化する一環としてメールマーケティングが注目されています。メールマーケティングというとどこか古典的な手法であるような印象を持たれるかもしれませんが、今も健在で数多くの企業で貴重な戦力となっています。
しかし、お知らせしたいことをただメルマガで配信するだけだと、メールマーケティングの一部でしかありません。それでは、メールマーケティングとはどんなもので、どう展開していくと効果を上げることができるのでしょうか。
今回は、メールマーケティングの基本からメリット、種類や具体的な進め方について解説します。
目次
メールマーケティングとは?
メールマーケティングはその呼び名のとおり、メールを使ったマーケティングの手法です。従来であればダイレクトメールなどで行ってきた見込み顧客へのアプローチをメール化するだけでなく、メールやネットならではの機能を使うことによってより多彩な販促活動が可能になります。
このメールマーケティングは、ネットを利用した販促活動の中では古典的な部類に入ります。古典的な手法が今もなお現役で採用されているということはそれだけ効果を見込めることの表れであり、さらに近年のメールマーケティングはより進化して企業にとってとても重要な手法のひとつになっています。
メールマーケティングのメリット3つ
メールマーケティングを用いることによって得られるメリットは、主に4つあります。
何といっても低コスト
ダイレクトメールであれば1通ごとに印刷費用と送料がかかりますが、メールにはそういったコストがありません。数が多くなってもコストにほとんど影響がないので、圧倒的に低コストです。
相手の属性に合わせてきめ細かく配信の内容を最適化できる
配信する相手の属性に合わせて最適な内容、タイミングでメールを配信することができるため、より高い精度を得ることができます。また、ダイレクトメールのように紙のごみを増やしてしまうことがなく、相手に悪い印象を与えにくいメリットもあります。
効果を検証できる
配信したメールの開封率や来店、成約につながった数などを計測できるため、配信内容の検証に役立てることが出来ます。PDCAサイクルを回すことでメールマーケティングの精度はどんどん高くなるので、継続するほど効果を実感できます。
ネット上のコンテンツ資産を活用できる
自社サイトやブログ、各種特設サイトなどがすでにある企業の場合、それらのコンテンツをメールマーケティングと連携させることができます。メールの内容はシンプルにして「詳しくはこちら」といった具合に自社コンテンツに誘導することでメールの本文が読みやすくなりますし、自社コンテンツへの来訪を促進することでより正確なユーザー行動を分析することができます。
メールマーケティングの種類について
メールマーケティングと一口に言っても、そこには5つの種類があります。それぞれ、個別に解説していきましょう。
メールマガジン | 同一の内容を配信許可してくれている集団に一斉配信する手法です。新製品や展示会などの告知に役立ちます。 |
ターゲティングメール (セグメントメール) | 属性別に配信内容を使い分けてターゲットに届くことを目的とするメールです。 |
ステップメール | 相手の行動に応じて段階を1つずつ上げながら配信するメールです。配信相手との接点を維持し、興味を持続するために用いられます。 |
リターゲティングメール | ターゲティングメールで一度アプローチをしたことがある相手に、再度アプローチをかける手法です。 |
休眠顧客発掘メール | 以前に問い合わせなどをくれたものの、それっきりになっている休眠顧客に対してご機嫌伺いの目的で配信するメールです。 |
メールマーケティングのKPI
メールマーケティングにはこれだけ多くの種類があり、それぞれ異なる目的を持っていることがお分かりいただけたと思います。メールマーケティングを仕掛ける側も販促戦略のKPIを可視化して今後の戦略に投影していく必要があるため、以下の指標を把握するようにしてください。
- 不達率(メールアドレス間違いやメールアドレス削除などによってそもそもメールが届かなかった率)
- 開封率
- 反応率(メールが開封され、何らかのアクションがあった率)
- クリック率(メール内にあるリンクへのクリック率)
- 購読解除率
これらを正確に把握することで、メールマーケティングを今後どうしていくべきかの方向性が見えてきます。特に重要なのはメールによる接点の入り口となる開封率です。開封されずに削除されてしまってはメールにどれだけ有益なことが書かれていても見込み顧客との接点を持つことができません。
メール配信の際のポイント
先ほど開封率がとても重要であると述べましたが、それではメールの開封率を上げるためにはどんな工夫をすれば良いのでしょうか。重視するべき項目は、以下のとおりです。
開封されやすい件名
件名でメールの内容に興味を湧かせるためには、「ここだけの秘密」感を出すのが効果的です。「当メルマガ読者限定」や「●月●日まで」といったように限定感を出したり、相手の属性を踏まえたうえでその相手の困りごとを解決できる秘密があることを匂わせる件名が好ましいでしょう。
そのメールを配信する相手のところには、同様に色々なところからメールが届いていることでしょう。そこで埋没してしまわないよう、記号の使い方や文章の区切り方にも工夫したいところです。
開封されやすい配信時間
メールマーケティングで工夫できることは、件名や内容だけではありません。配信の時間帯にも工夫をすることで開封率を高めることができます。
効果を測定していれば、何度も配信していくうちに開封されやすい時間帯が見えてくるはずです。それを試行錯誤しながら最も刺さる時間帯に配信をするようにブラッシュアップしていきましょう。
読まれやすい本文の構成
読まれやすい本文の作り方として鉄則になるのは、必ず何か1つ読者のメリットになることを用意して、それをトップに持ってくることです。場合によってはそのトップの項目だけしか読まれなくても良いというくらいの割り切りをもって、読者に刺さる情報を用意しましょう。
例えば、採用担当者にメールを配信するのであれば「たった1か月で応募者●●●人を達成したテクニック公開」といった内容の情報をもってくることで、想定される困りごとにしっかり刺さるはずです。この場合であれば手法について概要だけをトップにもってきて、さらに詳しく知りたい方にはメールを読み進んでもらう構成が望ましいです。そしてさらに「御社で実践したい場合はこちらへ」といったように自社コンテンツに誘導していくのが理想的な流れです。
メールマーケティング代行を提供
メールを活用したインサイドセールスを実践するには、最適な相手に最適な内容の情報を提供する必要があります。
そのために重要なのが、対象となるマーケットにおいて売り込みたい商材の最適なセグメントの実施です。
「刺さる」相手を見極めることで届ける情報の中身を最適化し、それがバイネームであることでさらに命中精度が高まります。
まとめ
古典的な手法でありながら今もなお現役で、しかも進化を続けているメールマーケティング。KPIをしっかり把握しながらPDCAサイクルを回し、ブラッシュアップさせながら配信を続けることで徐々に精度が高まり、御社の重要なセールスチャンネルのひとつになってくれるはずです。